Dance Dance Dance@YOKOHAMA 2021

Vol.1 中村祥子 出演『椿姫のためのエチュード』

2021年8月28日(土)から10月17日(日)まで、

日本最大級のダンスフェスティバル「Dance Dance Dance @ YOKOHAMA 2021」を開催いたします。

 

こちらでは、9月18日(土)神奈川県民ホール大ホールで行われる「International Choreography × Japanese Dancers ~舞踊の情熱~」についてご紹介してまいります。

 

この公演は、世界的振付家のマスターピースに日本のダンサーが挑むプログラムです。

 

20世紀初頭、伝説的なダンサーであるヴァーツラフ・ニジンスキーらが活躍した「バレエ・リュス」が舞踊のみならず音楽や美術にも大きな影響を及ぼしました。

そして、21世紀の現在に至るまで数々の名振付家が登場し、バレエの領域は拡大しています。

 

同時に、多くの日本のダンサーが、国内外の第一線で活躍する時代となりました。

この2つの文脈が交差して生じる化学反応をご覧いただけるように準備を進めています。

 

8作品の上演を予定しておりますが、最初にご紹介するのは、振付:モーリス・ベジャール×出演:中村祥子『椿姫のためのエチュード』です。

 

モーリス・ベジャール(1927~2007年)といえば20世紀を代表する振付家。

生と死、エロスとタナトスというテーマを一貫して追い求め、数々の名作を遺しました。

 

『春の祭典』『ボレロ』はもちろんのこと、ベジャール作品の申し子と呼ばれたジョルジュ・ドンとロックバンド「クイーン」のボーカルを務めたフレディ・マーキュリーに捧げられた『バレエ・フォー・ライフ』も晩年の名作として親しまれています。

 

親日家としても知られ、東京バレエ団に『ザ・カブキ』や『M』を振付しました。

 

Dance Dance Dance @ YOKOHAMA 2021ディレクターの小林十市はベジャールのもとで活躍し、現在もベジャール作品の振付指導に携わっています。

 

中村さんは6歳よりバレエを始め、1996年、ローザンヌ国際バレエ・コンクールでスカラーシップ賞、テレビ視聴者賞を受賞。ドイツのジョン・クランコ・バレエスクールに留学後、シュツットガルト・バレエ団、ウィーン国立歌劇場バレエ団を経て、ベルリン国立バレエ団、ハンガリー国立バレエ団において最高位プリンシパルを務めました(現在はKバレエカンパニー名誉プリンシパル)。

 

日本を代表するバレリーナであることは疑いありません。

 

中村さんか挑む『椿姫のためのエチュード』を初演したのは、クリスティーナ・ブラン。

小林ディレクターの公私にわたるパートナーであるブランは、モーリス・ベジャール・バレエ団(正式名称:ベジャール・バレエ・ローザンヌ)の中核として活躍しました。

 

「椿姫」といえば、アレクサンドル・デュマ・フィスの小説、またはそれに基づくヴェルディの歌劇が著名です。
バレエでは、べジャールと親交があったジョン・ノイマイヤーの大作や英国バレエのパイオニアであるフレデリック・アシュトンが遺した『マルグリットとアルマン』が知られています。

 

ベジャールは椿姫=マルグリットのソロとして描きました。

舞台上には一脚の椅子。ショパンのピアノ曲(編曲:フランツ・リスト)に導かれ踊るマルグリットが想うのは、愛するアルマン。

美しい音楽と繊細かつ大胆なダンスからマルグリットの心情が浮かび上がります。

 

中村さんは、ベルリン時代に『これが死か』と『ニーベルングの指環』を踊っており、今回が久々のベジャール作品出演。

 

小林ディレクターの指導のもとで、中村さんの深みのある表現力が存分に発揮されるに違いありません。

ぜひ、ご期待ください。

 

 

 

『椿姫のためのエチュード』
振付:モーリス・ベジャール
出演:中村祥子
音楽:フレデリック・ショパン、フランチェスコ・チレア
編曲:フランツ・リスト

 

公演の詳細は:https://dance-yokohama.jp/ddd2021/icjd/

アイコン画像:上矢印