Vol.6 島添亮子&厚地康雄『二羽の鳩』よりパ・ド・ドゥ
2021年8月28日(土)から日本最大級のダンスフェスティバル「Dance Dance Dance @ YOKOHAMA 2021」が開催中です。
9月18日(土)に神奈川県民ホール大ホールで行われる「International Choreography × Japanese Dancers ~舞踊の情熱~」がいよいよ目前に迫ってきました。
世界的振付家の名作に日本のダンサーが挑戦する注目のプログラムです。
このたびは島添亮子×厚地康雄『二羽の鳩』よりパ・ド・ドゥをご紹介します。
振付したフレデリック・アシュトン(1904~1988)は、英国バレエを代表する振付家です。
アシュトンは南米ペルーでアンナ・パブロワが踊るのを見てバレエに目覚め、レオニード・マシーン、マリー・ランベールというバレエ・リュスと縁の深い振付家らに学びました。
1935年にヴィック・ウェルズ・バレエ(英国ロイヤル・バレエ団の前身)に入り、以後長きにわたって活躍し数々の名作を遺しました。
アシュトンは、マリウス・プティパ以来の古典的バレエに基づきながら英国的で洗練されたバレエを創造しました。
振付の特徴として、鋭いステップや優美な首、肩、腕の用い方が挙げられます。
小品だけでなく『ラ・フィーユ・マル・ガルデ』や『シンデレラ』といった物語性豊かな全幕バレエも創作し、現在に至るまで広く愛されています。
今回上演される『二羽の鳩』(音楽:アンドレ・メサジェ)は17世紀に活躍したフランスの詩人ラ・フォンテーヌの寓話を下敷きにしています。
19世紀末にパリ・オペラ座でルイ・メラントの振付により上演されていましたが、それをアシュトンがジョン・ランチベリーの編曲を得て、1961年、ロイヤル・オペラ・ハウスで全2幕のバレエとして新たに上演しました。
アシュトン版の舞台はパリ。ジプシーの娘に恋した青年画家が許嫁の少女の下へと戻るラブストーリーで、愛の美しさ、気高さが繊細に描かれます。
日本では小林紀子バレエ・シアターが1992年以降たびたび上演しています。
このたび披露される第2幕よりパ・ド・ドゥは、若いカップルが愛を取り戻す名場面です。
少女を踊る小林紀子バレエ・シアターのプリンシパル島添亮子さんは、アシュトン作品を始めとする英国バレエの機微に通じています。
令和元年度(第70回)芸術選奨文部科学大臣賞を受賞するなど多くの賞に輝いている名バレリーナです。
共演する厚地康雄さんも『二羽の鳩』をレパートリーにしているバーミンガム・バレエのプリンシパルとして活躍中です。
日英の名手による味わい深い名演にご期待ください。
『二羽の鳩』よりパ・ド・ドゥ
振付:フレデリック・アシュトン
出演:島添亮子(小林紀子バレエ・シアター)、厚地康雄(バーミンガム・ロイヤル・バレエ団)
音楽:アンドレ・メサジェ
編曲:ジョン・ランチベリー
公演の詳細は:https://dance-yokohama.jp/ddd2021/icjd/