Dance Dance Dance@YOKOHAMA 2021

Dance Dance Dance @ YOKOHAMAとは

 横浜市では、文化芸術の創造性を活かした横浜らしい特色ある文化芸術イベントとして、フェルティバルを継続的に開催しています。2021年は、日本最大級のダンスフェスティバル「Dance Dance Dance @ YOKOHAMA」を開催します。

 横浜港を背景に繰り広げられる幻想的な野外ステージや、国内外で活躍するトップアーティストによる公演、子どもたちがプロのダンサーに学ぶワークショップ、週末ごとに街なかで様々なダンスが楽しめる参加型ステージなど、横浜にオールジャンルのダンスが集結します。

舞台は横浜の「街」そのもの
~街じゅうがダンス空間~

 横浜の景観を生かした、横浜ならではのプログラムをラインナップ。劇場内での公演だけでなく、美しい港を背景とした野外舞台や、商業施設・駅前広場などのオープンスペースで、多彩なプログラムを展開します。

あらゆる人にダンスの楽しさを
~クリエイティブ・インクルージョン~

 ダンスのジャンルはもちろん、国籍、ジェンダー、世代や障害の有無を越えて、様々な方が参加でき、楽しめるフェスティバルを展開します。

ダンスとの出会いが子どもたちを待っている。
~クリエイティブ・チルドレン~

 学校への出張授業や、普段なかなか接する機会のないプロアーティストに直接技術を学ぶワークショップなどを実施し、横浜の未来を担う子どもたちの豊かな創造性や感受性を育みます。

横浜“発”、世界へ
~国際発信~

 トップアーティストによる新たなチャレンジや、ダンスのジャンルを越えたクリエーション、”和”を感じられるプログラムなど、創造的なコンテンツを横浜から海外へ発信します。

専門家の皆様から総評をいただきました!

コロナ禍の諸制約下にあっても、日本を代表する舞踊フェスティバルに相応しい芸術水準を維持し、市民の文化的生活と創造性を保障して、内外に芸術都市・横浜の存在感を示したことを高く評価したい。
ディレクターを務めた小林十市は国際的知見を活かし、古典からモダン、コンテンポラリーに至る西欧舞踊史と、日本的感性でそれを解釈し新たな創造の境地を拓いてきた日本のバレエ団、ダンサー、振付家の仕事を巧みに組み合わせ、現代日本のダンスの魅力を示した。「International Choreography x Japanese Dancers~舞踊の情熱~」はじめ、小林自身も出演したNoism Company Niigataの『A Journey~記憶の中の記憶へ~』、近藤良平と共にダンサー個人の身体史と向き合った『エリア50代』等は、独創的で見応えがあった。
7週間の日程は、恒例の東京バレエ団「横浜ベイサイドバレエ」で華やかに開幕し、市内複数の公共空間で展開した観覧無料の「横浜ダンスパラダイス」ではストリート、タップ、伝統舞踊、チア等の多彩なダンスが上演され、集った観客はフェスティバルのオリジナル振付「レッド・シューズ」を踊った。踊りの経験も、ジェンダー、年齢、国籍、障害の有無も越えた交流は、ダンスを通して21世紀の共生社会を体現する横浜の希望の光景である。
岡見さえ
横浜が舞踊芸術における日本の拠点であることを印象づけるフェスティバルだった。トップアーティストによる劇場公演では、「International Choreography×Japanese Dancers~舞踊の情熱」が、出演者の高い技量、プログラムの新鮮さ、演出の面白さの三拍子そろっており、たいへん充実した一級のガラ公演であった。Noism Company Niigataと小林十市による「A JOURNEY~記憶の中の記憶へ」は、日本のコンテンポラリーダンスが世界の最先端にあることを誇れる公演であった。また「NHK バレエの饗宴2021 in 横浜」は、四つのバレエ団がそれぞれの強みを生かした作品を上演し、日本バレエの水準の高さを示す内容であった。
 能・狂言、サンバ、フラメンコ、ヒップホップ、ボールルームダンス、チアなど、これほど多様なジャンルが並ぶダンスフェスティバルは世界的に見ても貴重である。しかも屋外パフォーマンス、ワークショップ、オンライン配信などイベントの形式も多様で、「クリエイティブ・インクルージョン」を掲げて、年齢、ジェンダー、障がいの有無を問わずあらゆる人が舞踊芸術へアクセスできるように様々な配慮がなされていた。コロナ禍でイベント実施に対する問題が多発する中、感染症対策を怠らず、これだけの規模のフェスティバルを完遂したことを高く評価する。
東洋大学教授 舞踊評論家
海野 敏
DDD@yokohamaは我が国でも最大規模の国際ダンス・フェスティバルだ。①「質の高いプロの舞台」と②「ダンスに触れる市民参加の企画」というふたつの柱を「併せ持つ」ことで独自の存在感を示している。
①ではディレクターの小林十市の個性が強く反映された。『横浜ベイサイドバレエ』は、小林の恩師であるモーリス・ベジャールの珠玉の作品群を特設舞台で上演した。小林の実弟である落語家の柳家花緑が「落語版ジゼル」と銘打った『おさよ』や東京シティ・バレエ団とのコラボなど、従来のバレエファン以外の観客も惹きつけた。また小林と兄弟弟子にあたる金森穣率いるNoism Company Niigataとのコラボ『A JOURNEY ~記憶の中の記憶へ』や、DDD初のグランド・バレエ公演である東京バレエ団『白鳥の湖』など、目の肥えたダンスファンも唸らせるクオリティだった。
②はコロナ禍の影響をモロに受けた。だが横浜の街中の様々なスペースで踊る「横浜ダンスパラダイス」や、オリジナルダンスをアレンジして楽しむ「みんなで踊ろう!レッド・シューズ」など、コロナ禍で萎縮した人々の身体と心を解放するひとときを提供した。
安全性を確保しながら公演を実現するため、アーティストと実行委員会が不断の努力を重ねた。そして終わりの見えないコロナ禍に、あらためて立ち向かう力を人々に与えたのである。
乗越たかお
元ベジャール・バレエの小林十市をディレクターに迎え、コロナ禍でアーティストの海外招聘が叶わぬという悪条件のなか、日本が蓄えてきたダンスの富をいかに未来に生かすかというコンセプトによるプログラム作りによって、これまで以上に魅力的なダンス・フェスティバルとなった。
 なかでも特筆すべきは、「International Choreography ×Japanese Dancers ?舞踊の情熱?」と「エリア50代」。バレエからコンテンポラリーまで舞踊の地平を広げた傑作群を並べた前者は、新作にばかりスポットが当たりがちな日本のコンテンポラリーダンスに対しての問題提起の側面もあり、過去の振付の豊かな財産を改めて認識させるものとなった。フィナーレのベジャール振付『火の鳥』抜粋は、出演ダンサー全員で20世紀を代表する傑作の富を分かち合うというメッセージ(多くはベジャールを踊るのは初めてだったと思われる)と、甦る不死鳥という原作のストーリーとが響き合って、大きな感動をもたらした。
 若さが特権視される西欧の舞踊では年齢を重ねての表現が一般に軽視されがちと言える。それに対して「老いの力」を重視する芸能を擁するアジアならではの好企画となったのが後者の「エリア50代」。円熟した50代の表現者が自作自演ではなく、意想外なコリオグラファーと組むことでそれぞれ新境地を開いた。海外にも大きな刺激と発見を与えるに違いない内容で、「横浜」発の新たな世界的なムーヴメントとなる可能性を秘めている。
 今回の充実したプログラムを承けて、3年後にはさらに魅力的なフェスティバルが開催されることを大いに期待したい。
浜野文雄
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