Dance Dance Dance@YOKOHAMA 2021

主催プログラム

横浜ベイサイドバレエ

Photo: Hidemi Seto

横浜の海と夜景を背にした特設ステージで上質なバレエを上演するDance Dance Dance @ YOKOHAMAならではの人気企画。特にコロナ禍での開催となった今回は、象の鼻パークという広々として潮風が吹き抜ける上演空間そのものが観客に大きな安心感を与えた。出演は国際的にもトップレベルにある東京バレエ団、上演されたのは3演目。『ギリシャの踊り』は遠く響く潮騒の音から始まる作品で、リアルな海を借景にしたこの舞台にあまりにもぴったり。オープニングから観客を一気に引き込んだ。続く『海賊』よりパ・ド・トロワは、主役の女性1人と男性2人が海辺の洞窟できらめく踊りを繰り広げる同作のハイライトシーン。高さのあるリフトや艶やかな回転など、クラシックバレエの美技に会場が沸いた。ラストはベジャール振付『ボレロ』。赤い円卓に立つプリンシパルダンサーのカリスマティックな舞と、生命のエネルギーを掻き立てるようなラヴェルの音楽に、観客の興奮は頂点へ。両日とも拍手の鳴り止まぬ熱い舞台となった。

【日程】
2021.8.28(土)~29(日)
【会場】
象の鼻パーク 特設ステージ
【出演】
東京バレエ団
【上演作品】
『ギリシャの踊り』 振付:モーリス・ベジャール 音楽:ミキス・テオドラキス
『海賊』より パ・ド・トロワ 振付:マリウス・プティパ 音楽:リッカルド・ドリゴ
『ボレロ』 振付:モーリス・ベジャール 音楽:モーリス・ラヴェル
【観覧・入場料】
S席6,000円、A席4,500円 ほか
【来場・参加者数】
1,806人
【主催】
横浜アーツフェスティバル実行委員会

TENDRE × yurinasia

Photo: Ohno Ryusuke

Dance Dance Dance @ YOKOHAMAと横浜音祭りをつなぐプロジェクトとして、「ダンス×音楽」をコンセプトにステージを企画。「ダンス」と「音楽」の対等な関係性を見せ得る2人のアーティスト―横浜出身の河原太朗がソロ・プロジェクトとして展開するミュージシャンTENDREと、SNSへの投稿動画が話題となったのをきっかけに、いまや独創的な表現で数々の著名ミュージシャンのMV、TVCMへの出演・振付に引っ張りだこのダンサーyurinasiaに、白羽の矢を立てた。

また、同企画では次世代を担う才能の発掘・育成を目的に、18~25歳のダンサーを公募した。yurinasia本人によるワークショップ・オーディションには全国から100人近い応募があり、最終的に19人を選出。本番までの3か月間、出演者同士のコミュニケーションを深めながら、踊る喜びにあふれたクリエーションを重ねた。

象の鼻パーク 特設ステージでの公演を予定していたが、あいにくの雨により中止。横浜赤レンガ倉庫1号館3Fホールで熱いステージを行い、その模様を映像に収録した。

【日程】
[ワークショップ・オーディション]5.15(土) [収録]9.2(木)
【会場】
[ワークショップ・オーディション]THE HALL YOKOHAMA [収録]横浜赤レンガ倉庫1号館 3Fホール
【出演】
TENDRE
yurinasia
松浦大樹(Dr)、高木祥太(Ba)、小西遼(Sax / Synth)、AAAMYYY(Cho / Synth)
石山一輝、樹里、ひい、陽、桃子、Ayane、AZUMI、cocoro、curumi.、ErikaYorozu、
HINA、hinata、konom!、Kyoichiro、MIO、Nana、Saki、SetoKen、sion.
jABBKLAB
【衣装】
TANAKA
【参加者数】
[ワークショップ・オーディション]69人 [収録]38人
【主催】
横浜アーツフェスティバル実行委員会

東京バレエ団『白鳥の湖』(ブルメイステル版)

Photo: Hidemi Seto

時代を拓く現代のダンスだけでなく、正統的な古典バレエに触れる機会も提供することを主眼の一つに据えたDance Dance Dance @ YOKOHAMA 2021では、東京バレエ団によるクラシックバレエの代名詞的演目『白鳥の湖』全幕を上演した。不朽の名作だけに数多の演出版が存在するなか、同団がレパートリーにしているのは明快なストーリーとドラマティックな展開で人気のブルメイステル版。美しい娘オデットが悪魔ロットバルトの呪いで白鳥に変えられてしまうプロローグから、王子との愛の深まり、絶望と許し、そして悪に打ち勝ち再び娘の姿に戻るまでの顛末が、神奈川フィルハーモニー管弦楽団の生演奏に乗せて綴られた。主演はトッププリンシパル上野水香と柄本弾。円熟期にある上野のたおやかな白鳥と艶やかな黒鳥の見事な演じ分け、「世界一」とも称される同団の一糸乱れぬ群舞、そしてこの版の最大の特徴である第3幕、舞踏会の場面で〈悪魔の手先〉たちが繰り広げる怒涛のキャラクターダンス(各国の踊り)等に、とりわけ大きな拍手が沸き起こった。

【日程】
2021.9.4(土)
【会場】
神奈川県民ホール 大ホール
【振付】
改訂振付 ウラジーミル・ブルメイステル
第2幕振付 レフ・イワーノフ、アレクサンドル・ゴールスキー(三羽の白鳥)
【出演】
オデット/オディール:上野水香
ジークフリート王子:柄本弾
ロットバルト:ブラウリオ・アルバレス
ほか東京バレエ団
【指揮】
冨田実里
【演奏】
神奈川フィルハーモニー管弦楽団
【観覧・入場料】
S席10,000円、A席7,000円、B席5,000円、C席3,000円 ほか
【来場・参加者数】
1,292人
【主催】
横浜アーツフェスティバル実行委員会
【共催】
神奈川県民ホール
【協力】
東京バレエ学校

柳家花緑 独演会

Photo: Kota Sugawara

Dance Dance Dance @ YOKOHAMA 2021ディレクターの小林十市と噺家の柳家花緑は実の兄弟。その縁から、ダンスフェスティバルとしては異色の「落語の独演会」が企画された。会場は笑いの殿堂「横浜にぎわい座」。

『つる』と『天狗裁き』の古典落語2席で客席をたっぷり温めた後、クラシックバレエの名作『白鳥の湖』を江戸時代に読み替えた花緑オリジナルの創作落語『鶴の池』を口演。オデットは「彩乃」に、ジークフリート王子は「幸之助」に、悪魔ロットバルトは「玄秀」に。バレエではおなじみのストーリーを下敷きにして、花緑独自の巧みな話術と喜怒哀楽に富んだ表現力で新たな世界観を構築。バレエファンと落語ファンを丸ごと笑いの渦で包み込んだ。

 アフタートークには兄・小林が登場。兄弟がバレエを始めたきっかけや、小林の海外生活についてなど、芸術一家のディープな話題が次々と飛び出し会場を沸かせた。舞踊の世界観と日本の伝統芸能が見事に紐づけられ、独創的で充実した公演となった。

【日程】
9.12(日)
【会場】
横浜にぎわい座 芸能ホール
【出演】
柳家花緑、小林十市
【プログラム】
『つる』、『天狗裁き』、『鶴の池』(白鳥の湖)、トークショー
【観覧・入場料】
一般3,200円 ほか
【来場・参加者数】
174人
【主催】
横浜アーツフェスティバル実行委員会/横浜にぎわい座

International Choreography × Japanese Dancers ~舞踊の情熱~

Photo: Hidemi Seto

時代を変えた天才振付家たちのマスターピースに、日本のトップダンサーたちが挑戦。「日本のダンスの現在地を示す」というDance Dance Dance @ YOKOHAMA 2021のテーマにズバリ応える、高水準のパフォーマンスが繰り広げられた。鬼才フォーサイスの『ステップテクスト』で新境地を見せた渡辺恭子らスターダンサーズ・バレエ団。英国バレエの礎を築いたアシュトンの『二羽の鳩』は、初共演の小林紀子バレエシアター島添亮子と英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団厚地康雄が叙情性豊かなパートナーシップを見せた。厚地は公私共にパートナーの佐久間奈緒と、現代英国の物語バレエの紡ぎ手ビントレーの新作『スパルタクス』からドラマティックなパ・ド・ドゥを日本で初披露した。プティ振付『タイスの瞑想曲』を踊った東京バレエ団プリンシパルの上野水香と柄本弾は洗練の舞で魅了。中村祥子は初挑戦のベジャール振付『椿姫のためのエチュード』で圧倒的な身体性を見せた。また、池本祥真によるベジャール『M』の気迫のソロや、気鋭の振付家パイトの『A Picture of You Falling』を踊った鳴海令那と小㞍健太も、研ぎ澄まされたムーヴメントで出色の演技。最後は全員でベジャール振付『火の鳥』のフィナーレを踊るサプライズも。観客から「1回公演だけではあまりにも惜しい!」と声が上がるほどの盛り上がりを見せた。

【日程】
2021.9.18(土)
【会場】
神奈川県民ホール 大ホール
【プログラム・出演】
『ステップテクスト』
振付・舞台装置・照明・衣裳:ウィリアム・フォーサイス、
演出・振付指導:アントニー・リッツィー、
出演:スターダンサーズ・バレエ団(渡辺恭子、池田武志、関口啓、林田翔平)
音楽:J.S.バッハ
 
『二羽の鳩』よりパ・ド・ドゥ
振付:フレデリック・アシュトン     
出演:島添亮子(小林紀子バレエ・シアター)、
厚地康雄(英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団)
音楽:アンドレ・メサジェ、編曲:ジョン・ランチベリー

『A Picture of You Falling』より
振付・テキスト:クリスタル・パイト
出演:鳴海令那(Kidd Pivot)、小㞍健太
音楽:オーエン・ベルトン
作品指導:ピーター・チュー

マ・パヴロワより『タイスの瞑想曲』
振付:ローラン・プティ
出演:上野水香(東京バレエ団)、柄本弾(東京バレエ団)
音楽:ジュール・マスネ

『スパルタクス』よりパ・ド・ドゥ【日本初演】
振付:デヴィッド・ビントレー
出演:佐久間奈緒、厚地康雄(英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団)
音楽:アラム・ハチャトゥリアン

『椿姫のためのエチュード』
振付:モーリス・ベジャール
出演:中村祥子
音楽:フレデリック・ショパン、編曲:フランツ・リスト

『M』
振付:モーリス・ベジャール
出演:池本祥真(東京バレエ団)
音楽:黛敏郎
【観覧・入場料】
S席10,000円、A席7,000円、B席5,000円、C席3,000円 ほか
【来場・参加者数】
1,145人
【主催】
横浜アーツフェスティバル実行委員会
【共催】
神奈川県民ホール

『おさよ(落語版ジゼル)』柳家花緑 × 東京シティ・バレエ団

Photo: Takashi SHIKAMA

村娘ジゼルと貴族の青年アルブレヒトの悲恋を描いたロマンティック・バレエの名作『ジゼル』。この物語を江戸時代に置き換えた柳家花緑の創作落語が、東京シティ・バレエ団による踊りとコラボレーションした。作品はバレエと同じく2幕構成で、ジゼルは「おさよ」、アルブレヒトは「新三郎」、ヒラリオンは「半ちゃん」。まずは落語で物語を楽しみ、続いてその場面の踊りを鑑賞するという形の進行が、落語ファンなどバレエを見慣れない観客にとっては優れた「バレエ入門」ともなった。花緑の話芸が特に光ったのは、バレエでいうところの精霊ウィリたちとその女王ミルタの表現。森に迷い込んだ男たちを踊り殺す死の精霊たちが、落語では気風のいい姉御に率いられた愛すべき「お化けたち」に。それぞれが命を落とした理由を語る場面などは、各キャラクターの個性が際立ち、抱腹絶倒の盛り上がりを見せた。そしてラストシーン。天から差す一筋の光、そのシンプルな照明一つでジゼルの魂が消えていく様を表現し、ほろりとさせた。

【日程】
2021.9.23(木・祝)
【会場】
神奈川県立青少年センター 紅葉坂ホール
【出演】
落語:柳家花緑
おさよ/ジゼル:清水愛恵
新三郎/アルブレヒト:キム・セジョン
ミルタ:植田穂乃香
ドゥ・ウィリ:折原由奈、清田カレン
ほか東京シティ・バレエ団
【構成・演出・再振付】
安達悦子(東京シティ・バレエ団)
【観覧・入場料】
一般3,500円 ほか
【来場・参加者数】
367人
【主催】
横浜アーツフェスティバル実行委員会
【初演企画・制作】
公益財団法人江東区文化コミュニティ財団 ティアラこうとう
【制作】
公益財団法人東京シティ・バレエ団
【初演】
ティアラこうとう大ホール(2015.5.24)
【協力】
ミーアンドハーコーポレーション、公益財団法人東京シティ・バレエ団、
公益財団法人江東区文化コミュニティ財団 ティアラこうとう

エリア50代

Photo: Jouji Suzuki

Dance Dance Dance @ YOKOHAMA 2021ディレクターの小林十市が「50代を迎えた自らの身体と向き合いたい」と同世代の近藤良平と共に企画。「50代ダンサーの星」とも称すべき安藤洋子、SAM(TRF)、伊藤キム、平山素子の4人を日替わりでゲストに迎え、全4日間にわたりトーク&ダンスを繰り広げた。各回とも小林と近藤のそれぞれのソロと、ゲストダンサーのソロからなるトリプルビル。小林はアブー・ラグラ振付の『One to One』、近藤はMIKIKO振付の『近藤良平』を踊った。ユニークだったのは、「踊る作品は自作せず、必ず他者に振付けてもらう」「踊る順番は、開演後の舞台上でくじを引いて決める」といった独自のルールが課されていたこと。これらの着想は、ストリートダンスの名手SAMが能を舞うなど、50代を迎えたダンサーたちの新たな可能性を示すパフォーマンスの実現や、その場に居合わせることの楽しさ、“生”の舞台の醍醐味の創出につながった。同公演のチケットは発売後すぐにソールドアウト。客席には出演者と同世代と思しき観客のほか、10〜20代の若者の姿も見られた。

【日程】
2021.9.23(木・祝)~26(日)
【会場】
KAAT神奈川芸術劇場<大スタジオ>
【作品・出演】
『One to One』 *23~26日
出演:小林十市
振付:アブー・ラグラ

『近藤良平』 *23~26日
出演:近藤良平
振付・演出:MIKIKO

『失われた委曲』~抜粋ソロバージョン~ *23日
出演:安藤洋子
オリジナル作品 作・振付:ウィリアム・フォーサイス

『光陰如箭』 *24日
振付・出演:SAM(TRF)
振付・演出・謡:佐野登

『このままフェードイン』 *25日
出演:伊藤キム
振付・演出:BOXER & Hagri

『J・S・バッハ作曲 “フーガの技法“ 1.2.9.6によるダンス』 *26日
出演:平山素子
演出・振付:笠井叡
【観覧・入場料】
一般4,000円 ほか
【来場・参加者数】
527人
【主催】
横浜アーツフェスティバル実行委員会/KAAT神奈川芸術劇場/横浜赤レンガ倉庫1号館

DRAMATIC WORKS 『SITA YOKOHAMA』

主宰の振付家・渡辺裕味子を中心に、作品上演を主軸として活動を展開している「DRAMATIC WORKS」は、異なるフィールドのダンサーで構成されたボーダレスなダンスエンターテイメント・ユニットである。今回のフェスティバルでは、レギュラーダンサーの金魚JAM(南彩子、渡辺じゅり)、篠原藍、SIMBA、中川賢と、NoismやCo.山田うんでも活躍したダンサー吉﨑裕哉、そしてエレクトロジャズの新しい形を生み出すピアニスト/電子音楽家の中村浩之を迎えて、新作を上演した。会場となった関内ホールは、この公演だけの特設舞台として大きく様変わり。低めのステージが客席の目の前に迫る濃密な空間に、6(SITA、スワヒリ語で6の意)人のダンサーと中村浩之を中心にした10人のミュージシャンが登場。前作の『SALTY LOVE』で見せた独創的で豊かなダンス、ドラマティックな展開、グラマラスな世界観を一層深化させ、オリジナル楽曲と共に観客を魅了した。

【日程】
2021.9.25(土)~26(日)
【会場】
関内ホール 小ホール
【構成・演出・振付】
渡辺裕味子
【振付・出演】
篠原藍、南彩子、渡辺じゅり、中川賢、SHIMBA、吉﨑裕哉
【音楽・出演】
中村浩之[UN.a](Key,Compose)、 宇津木紘一[UN.a](Sax,sampler)、前田竜希(Ba)、Qujioki(Rap,Sampler)、 津田悠佑(Per)、増圭介(Tb&Eup)、中浦ヒロ(Vn,Cho)、神田珠美(Vn)、糸永衣里(Vla)、穴田貴也(Vc)
【観覧・入場料】
一般3,000円 ほか
【来場・参加者数】
353人
【主催】
横浜アーツフェスティバル実行委員会

Noism Company Niigata × 小林十市 『A JOURNEY~記憶の中の記憶へ』

Photo: Hidemi Seto

20世紀を代表する巨匠振付家モーリス・ベジャールのバレエ団で活躍した小林十市と、その附属バレエ学校で学んだ金森穣。ベジャールという巨星のもとで出会った2人が、約30年の時を超えて初共演した。今回のDance Dance Dance @ YOKOHAMA 2021でダンサーとして現役復帰を果たした小林のために、金森はベジャールの記憶を基軸に2部構成の作品を創作。テーマは「旅」。若き日の小林を写した写真がスクリーンに映し出されて1部がスタートし、ギリシャの作曲家マノス・ハジダキスの音楽で踊る小林と金森のデュオ『追憶のギリシャ』、Noism 0+1のメンバーの凄まじいエネルギーを小林が受けて立つ『BOLERO 2020』と続いた。2部はユーグ・ル・バールの音楽で綴る『The 80’s Ghosts』。小林とNoismメンバーとの圧巻のユニゾン、小林の身を燃やし尽くすかのようなソロ、そしてラストは舞台に1人残った小林を、金森が新たな旅へと送り出した。客席は温かなスタンディングオベーションで満たされ、Dance Dance Dance @ YOKOHAMA 2021は感動の中で幕を閉じた。

【日程】
2021.10.16(土)~17(日)
【会場】
KAAT神奈川芸術劇場〈ホール〉
【演出振付】
金森穣
【出演】
小林十市、金森穣、井関佐和子、山田勇気、浅海侑加、ジョフォア・ポプラヴスキー、井本星那、三好綾音、中尾洸太、庄島さくら、庄島すみれ、坪田光、中村友美、樋浦瞳、杉野可林
【衣裳】
堂本教子
【観覧・入場料】
一般6,000円 ほか
【来場・参加者数】
1,382人
【主催】
横浜アーツフェスティバル実行委員会/KAAT神奈川芸術劇場
【協力】
りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館

横浜ダンスパラダイス

(左上)Photo: Ohno Ryusuke (右上)Photo: Kota Sugawara (下)Photo: Kota Sugawara

Dance Dance Dance @ YOKOHAMA 2021の市民参加事業「横浜ダンスパラダイス」。東京2020大会が開幕した7月下旬から、本フェスティバルが閉幕を迎えた10月中旬に至るまでの約3か月間、週末を中心に29ステージが実施された。雨天や会場都合で中止となった回もあったものの、商業施設、ショッピングストリート、駅前広場、公園などのオープンスペースで行われた観覧無料のダンスステージは、各回とも大賑わい。年齢、ジェンダー、国籍、障害の有無を越えて集まったプロ・アマを問わずのダンサーたちが、オールジャンルのパフォーマンスで横浜を熱く盛り上げた。

本企画にはゲストも多数参加。ダンサー・振付家の小暮香帆と川瀬賢太郎が指揮する神奈川フィルハーモニー管弦楽団との共演や、横浜の夜景をバックに舞ったSIROCOの情熱的なフラメンコ、キレのあるハウスダンスを披露したMiyu×県立市ケ尾高等学校ダンス部とのコラボレーションなどが、ステージに華を添えた。また、最終日は近藤良平振付のオリジナルダンス『レッド・シューズ』で、横浜ダンスパラダイスを盛大に締めくくった。

【日程】
2021.7.22(木・祝)~10.16(土)
【会場】
市内商業施設、ショッピングストリート、駅前広場、公園等31会場45ステージ
【出演】
公募等によって選ばれたオールジャンルのダンサー、ゲストアーティスト
【観覧・入場料】
無料
【来場・参加者数】
35,110人(出演者246組2,990人、観覧者32,120人)
【主催】
横浜アーツフェスティバル実行委員会

次世代育成の取組(クリエイティブ・チルドレン)

プロダンサーによるワークショップ

ダンス部応援プロジェクト!

「ダンス部応援プロジェクト!」は、中学・高校生ダンサーのダンスの技術力・表現力の向上を目的に、著名なプロダンサーが中・高ダンス部を訪問してワークショップを実施する次世代育成プログラム。今回はダンサーが各学校を訪問する形ではなく、市内7校のダンス部が横浜武道館に集まり、3部制で合同ワークショップを開催した。

講師は、世界が注目するダンスパフォーマンスグループs**t kingzが務めた。憧れのアーティストの登場に大きな拍手が沸き起こり、目を輝かせる生徒たち。しかしワークショップが始まると、表情は真剣そのものに。表現に重点を置いたダンステクニックの指導、プロならではのアドバイス。普段の部活動とは異なるスペシャル・レッスンに、積極的な姿勢と集中力をもって取り組んでいた。

最後には、s**t kingzのナンバー(作品の一部を抜粋)を全員で一緒に踊り、生徒たちにとって忘れられない、夢のような時間となった。

18区ダンスワークショップ

「ダンスを踊ってみたい!」「ダンスを習ってみたい!」。横浜市在住・在学の満3歳から小学校6年生までのダンス初心者を対象に、経験豊かなプロダンサーが指導を行った。会場となったのは区民文化センターやスポーツセンター等。ダンスへの興味を高め、体を動かす楽しさや表現力を培うことを目的として、創作ダンスやHip Hop、チアダンスといったバラエティに富む全36クラスを、ジャンル別・年齢別に全18区で開講した。

感染症対策として、1クラスの人数は少人数に抑えた。これによって講師と子供たちの距離が近くなり、直接的かつきめ細やかな指導が実現できた。講師の側も、受講者一人ひとりへの声かけや励ましを心がけ、温かい雰囲気をつくった。初めてダンスレッスンを体験する受講者たちは、最初は緊張気味だったものの、段階を踏みながらの丁寧な指導により、最後には課題の振付を覚えて踊ることができた。ダンスを通して、新たな発見が生まれ、終了時には全員が達成感に満ちた様子だった。

photo by bozzo

スクール・オブ・ダンス(横浜市芸術文化教育プラットフォーム 体験型スペシャル版)

音楽、美術、演劇、ダンス、伝統芸能など、幅広い分野で活動するプロのアーティストが横浜市内の小・中学校等に出向き、子供たちが本物の文化芸術に触れ、豊かな感性を育む機会をつくる「横浜市芸術文化教育プラットフォーム」。今回はDance Dance Dance @YOKOHAMA 2021と連動することで、実施回数を増やし、【体験型スペシャル版】としてダンスワークショップを企画した。講師を務めたのは、子供たちの個性を引き出し、表現を創り出す才能豊かな振付家・ダンサーたち。子供たちが身体と心で楽しみながら、「ダンス」と触れ合う機会となった。市内9校で実施し、師岡小学校学校では校舎を飛び出し、港北公会堂で講師と創り上げた作品の発表会も行った。

特別支援学校レッド・シューズ ワークショップ

横浜ダンスパラダイスの関連企画として、オリジナルダンス『レッド・シューズ』のワークショップを市内3校の特別支援学校で実施。『レッド・シューズ』を振り付けた近藤良平とコンドルズのメンバー、ダンスマスターが、生徒たちと一緒にリズム遊びから始め、それが徐々にオリジナルダンスへ発展。ダンスを身近に感じ、踊る楽しさを実感するプログラムとなった。

トップアーティストとの夢の共演

『Miyu×神奈川県立市ケ尾高等学校』コラボステージ

高速ステップで注目される世界的ハウスダンサーMiyuが、市ケ尾高校ダンス部に振付指導を行い、その成果を「横浜ダンスパラダイス」のステージで披露。ハウスダンス初挑戦となる市ケ尾高校ダンス部が、オンラインでのレッスンも含めた4回のワークショップを受け、ステージで共演。ワークショップ受講生である2年生46名全員とMiyuによる感動的なステージが実現しました。

アイコン画像:上矢印